早速あらすじから~
「地下室の令嬢」
両親を交通事故で失ったアラベラは自力で生活を立て直す必要に迫られていた。
慣れ親しんだ田舎の家は売りに出され、わずかな荷物と愛猫だけを連れてロンドンへ。
やっと見つけた住み込みの仕事は医師のオフィスでの管理人の仕事。
オフィスの地下に部屋をもらい掃除や戸締まり、電球の交換と様々な雑用をこなしていく。
ある日、アラベラの部屋をチラリと覗いた医師のタイタスは、
アラベラの生活振りがつましいながらも良家の令嬢のものであると気づいた。
「彼女はこんな生活をしていてはいけない女性に違いない」
タイタスは妙案を思いついて……
久しぶりに現代モノを読んでみました。
現代モノとはいっても実は結構昔です。
初版が出版されたのは1993年なので23年前!
作家はベティ・ニールズさんとおっしゃる方で、もうお亡くなりになってます。
(生きていたら現在107歳!)
この話が出版された当時、何と御年84歳!
執筆したのが少し前だとしても80代に入っていたんじゃないでしょうかねぇ。
何ともビックリの瑞々しい感性ですね。
私もおばあちゃんになっても恋愛小説を楽しめる人間でいたいものです。
さて、今回の虫子的萌えポイントのご紹介です
ここからネタバレと感じる可能性アリ↓
①アラベラのお部屋作り
こんな一角に住んでいたかも |
このお話の魅力の大部分はココにあるんじゃないかと思います。
まず、アラベラはほとんどお金を持っていません。
やっと住む部屋を見つけるところからお話が始まるのです。
その地下室というのがまぁ何も無い。
その何も無い部屋にお給料から少しずつ家具を買い足していきます。
その様子が正に清貧!
貧しいながらも清潔感漂うアラベラのお部屋作りがとっても魅力的です。
安い布を買ってきてクッションカバーとカーテンを手縫いしたり、壁に自分でペンキ塗ったり、実家から持ち出せた良質のカーテンを縫い直してリサイクルしてみたり。
そして庭から取ってきた野の花を毎日飾ります。
最近流行りのシンプルライフというやつですね。
貧しいながらもお育ちの良さが滲み出てます。
そんな女の子が地下室に住んでいたらそれは気になるでしょう(笑
質素でも魅力的な部屋を作るアラベラがいじらしくなります。
②アラベラのお料理
彼女は丁寧に生活するのでお料理もちゃんと作ります。
何とパンまで自分で焼きます!
(その辺に時代を感じるのですが、今でもパンが主食の国って自宅で焼いてるのでしょうか?)
管理人という仕事は肉体労働が多いので体はヘトヘト。
それでも「パンとミルクとキッシュの残りがあるわ」とか言っちゃう素敵女子です。
前任者のお婆さん管理人が「缶詰ばかり食べていた」という描写があるので、イギリスで管理人という仕事をする人ってそんな感じの人が多いということなんでしょうね。
お茶を飲むときは実家から持ってきたコールポート磁器で飲んだりする場面もあります。
質素なテーブルに高価な茶器 |
ギャップ萌えでタイタスもイチコロです。
(アラベラは狙ってそういうことするコではありませんよ)
③ニブいヒーロー
タイタス、ニブい!でもそこがイイ!!
このヒーロー、ハンサムなお医者さんです。
振る舞いももちろんスマート。モテモテです。
自分でも恋愛はそれなりにしてきたとおっしゃってますが、その割に……
どう考えてもアラベラのことが大好きなのに自分の気持ちに気づいてない。
アラベラも結構ニブいのですが、タイタスのがニブい(笑
このニブニブカップルの成長を見ているのがもどかしいけど楽しい!
と、こんな感じでした。
現代モノでありながらも古風な雰囲気漂う良作だと思います。
やはり作者の年齢のせいでしょうかね。
サザエさんて今の子供達も観てるけど、肌感覚で少し昔なんだなって分かりますよね。
そんな感じの古き良きイギリスを感じました。
作者買いはしないって言ったのですが、この方の作品もうちょっと読んでみたいカモです。
ハーレクイン好きな方、この作家さん好きな方、コメント下さったら嬉しいです(^^)
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