2016年2月2日火曜日

伯爵に拾われた娘(前半) ヘレン・ディクソン

先ほど読み終わりましたので、
熱気冷めやらぬ内に感想文を!

「伯爵に拾われた娘」


1770年、18歳のエドウィナは亡くなった父の借金を返済する代わりに、親子以上に年齢の離れた伯爵との結婚を強要されていた。

どんなに抵抗してもこの結婚から逃げられないと知ったエドウィナは、亡き母の親類を頼りわずかな旅費だけを手に一人家を出た。

半年後、ロンドンのスラム街。
少年に変装しスリに身を落としたエドウィナの姿がそこにあった。

家出後すぐに旅費を奪われ途方に暮れていたところを言葉巧みに悪の組織に引き入れられてしまったのだった……

やっと息をするような生活が続いたある日、
身なりの良い紳士(アダム)から懐中時計を盗もうとするもすぐに捕らえられてしまう。

エドウィナのことを恵まれない少年だと思い込んだアダムから、人捜しを手伝わないかと持ちかけられて……


はい~、今回もヒストリカルを読んでおりました。
今回はいつも読んでいる時代(1800年代前半)より少し前のお話。

登場人物達のファッションも少し違いますね。
(表紙のドレスはかなり現代的です)
私が好きな時代よりちょっと華美。

ロココ(マリー・アントワネットのイメージ)の雰囲気がまだ残った時代です。
ヴォルドグレイブの三姉妹
上流階級はカツラをかぶったり、そのカツラに髪粉と呼ばれる粉を吹き付けたりするファッションでした。

みんな頭がグレーですね。
モデルは若いお嬢さんなんですけどね。
髪粉とは香り付きの小麦粉のことなんだとか。

頭に小麦粉とかもうわけ分からん!とお思いですね?
私もそう思います(笑

当時はあんまりお風呂入らないですからねぇ。
カツラにも髪粉にも衛生や見栄え的に色々意味があったようです。

実際は当時はカツラの使用率は半々というところだったみたいですが、ここぞ!というときのオシャレだったのでしょうか。
作中にもたびたび登場します。

歴史やファッションについて調べてみたくなるというのがヒストリカル物の面白い所ですよね。
興味の世界が広がります。

さて、ではこの作品の虫子的萌えポイントをご紹介します。

ここからネタバレと感じる可能性アリ↓






①ヒーローのツンデレっぷり
 アダムが感情をストレートに出してくるタイプなので萌え!

 当時の貴族階級の男性は人前で感情的になることはとして育てられているため、多くのヒストリカル物のヒーロー達は「グッと堪える男らしさ」をセクシーと描写される場合が多いんですね。
 
 でもアダムは今は伯爵だけど、元は画家なんですね。もちろんイケメンの。
 イケメンでアーチストだったら多少の欠点も長所に見えるってコトで、随所で感情を露わにします。

 う~ん、現実に居たらやっかいなタイプなんだけどなぁ。何故か惹かれる。
 どこかでこんなタイプと出会ったかしら?
 デジャヴュを感じながら読み進めるうちにハッ!としました。
 
 その正体は「花より男子」の道明寺でした(笑
 ヒロインへの愛ゆえに「可愛さ余ってブチ切れる」辺りが似てます。
 若かりし頃の刷り込みって強烈だなぁ。


 ちなみに虫子はどっぷり道明寺派です。 三十路乙女達の青春のバイブルですね。

②昔のロンドン暗さったらない
 作中、ロンドンのスラム街が出てきます。
 日本に住んでいるとあまり感じることはありませんが、外国には地域によって明らかな貧富の差を感じる場所があります。
ブラジル (お互いどんな気持ちなのかな)
当時のロンドンもそれはそれは酷かったらしく、暗くて危険な当時のスラムの様子が描かれています。
 切り裂きジャックやシャーロック・ホームズの影響でしょうか、昔のロンドンのスラムって絶対行きたくはないけど好奇心をそそる場所です。
ジン横町
ロンドン郊外でお嬢様暮らしをしていたヒロイン。
 慣れないスラムでの生活に疲弊していく様子が後のロマンスを盛り上げます。

ちょっと長くなったのでこの辺で。
続きは次回→

ハーレクイン好きな方、花男好きな方コメントいただけたら嬉しいです(^^)

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